皆さん、小学生時代はどんな本が流行っていましたか?
おそらく世代によってばらつきがあると思いますが、僕が小学生の頃はハリーポッターがめちゃくちゃ流行っていましたね。
「ハリーポッター面白ーい!!」「昨日やってた映画のハリーポッター見たー?」
金曜ロードショーでハリーポッターが放送された翌日は、こんな会話が教室を飛び交っていました。
そんな時に僕はそんな会話には加わらず、やれやれ…と早めに発症した中二病丸出しで読んでいた本がありました。
それが、ヴァンパイア作品の金字塔、ダレン・シャンです。
今回は私の大好きなダレンシャンの魅力を熱く!!!暑苦しく!!紹介していきます
目次
ダレンシャンとは?
ダレン・シャンの書いたダレン・シャン
ダレン・シャンとはダレン・シャン氏によって書かれた児童向け小説です。
はい、わかります。「なに?ダレンシャンを書いたダレンシャン?どゆこと?」
そうなんです。ダレン・シャン氏という方によって書かれた小説なんです。(本名はダレン・オショーネシーと言うお名前らしいです。)
小学生の僕にはこれがまず衝撃でした。
僕「ダレンさんがダレン・シャン書いてるの!?すげえ!!」
なんとこれも伏線ですからね。なんでダレン・シャンさんがダレン・シャンを書いたのか。最終巻で明らかになります。
週間少年サンデーにて漫画化・そして映画化もされています。(ただ映画の出来は…)
どんなストーリーなの?
ちょっと変わった少年だったダレン・シャンはある日親友のスティーブと一緒に奇怪なサーカス「シルク・ド・フリーク」を見に行きます。そこで見た毒蜘蛛を盗んでしまい、ある事故でスティーブが毒蜘蛛に噛まれてしまいました。
親友スティーブを助けるために、謎のヴァンパイア「ラーテン・クレプスリー」と取引をします。その取引とは、ダレン自身がヴァンパイアになること。
その恐ろしい取引に応じたダレンは数奇な運命に巻き込まれることになりますーー。
これが第一巻『奇怪なサーカス』の前半のあらすじになります。
小学生の僕はこの退廃的なストーリーに頭を殴られたような衝撃を受けました。
僕がそれまで読んでいた小説は主人公が恒常的に不幸になることってなかったんですよ。
例えば小公女。
お金持ちの少女が寄宿舎で幸せな生活を送っていたら、お父さんが死んでしまって学校の使用人として働くことになってしまったけど、辛い毎日を耐えていたら、またお金持ちに戻れました。
と言うようなストーリーですよね?主人公って幸せになりがちなんです。(いやまあ、幸せになるべきですけど。)
でもダレンは、ヴァンパイアになってしまって人間の幸せな生活にサヨナラを告げるんですよ。人間に戻る方法はありません。幸せな人間の生活は二度と戻ってきません。
それが不幸であることが1巻の時点で確定してしまうんですよ。
ダレンは蜘蛛が好きだったり、ホラー映画が好きだったりする変わり者です。
自己紹介にもあるように僕はADHDも持っている変わり者です。おそらく、そういう点に共感できたんだと思います。
ダレン・シャンの魅力とは?
従来の怪物のイメージを覆すヴァンパイア像
ヴァンパイアといえば皆さん何を思い浮かべますか?
人間をエサとする怪物?狡猾な悪魔?凶暴な西洋の妖怪?
どんなイメージであれ、おそらく「怪物」をイメージする方が多いでしょう。
ダレン・シャンにおけるヴァンパイアは凶暴でもなく人間をむやみに殺生することもありません。
ダレン・シャンにおけるヴァンパイア
- 人間の血は飲むがたまに少量のみで良いので、殺すことはない。(作中の描写によると半ヴァンパイアで注射器で採取できる程度)
- 人間の血以外を飲むこともある。
- 人間の血を飲み干すことで相手の魂を取り込めるが、頼まれた時以外は基本的にしない。
- 蛇やヴァンパイア、猫、蛙、猿などの血は毒になる。
- ヴァンパイアに吸血されてもグールやヴァンパイアになることはない。
- ヴァンパイアになるにはヴァンパイアの血を身体に取り込まなければならない。
- 力、視力、嗅覚、ありとあらゆる能力が人間以上。
- ヴァンパイアは人間の1/10のスピードで歳を取り、半ヴァンパイアは1/5のスピードで歳を取る。
- 日光は身体に毒だが長時間浴びなければ死ぬことはない。半ヴァンパイアは日光を浴びても問題はない。
- テレパシーや催眠術、催眠ガス、治癒力のある唾液などの特殊能力がある。
- フリットという特殊な高速移動歩法が使える。
- 子どもを残すことができない。
- 鏡には映るが写真に写ることはない。半ヴァンパイアは写真にも写る。
- 掟を重視する。
ヴァンパイアから凶暴さと恐ろしさを削ぎ落としたら残るもの。
それはかっこよさです。とにかく出てくるヴァンパイアがかっこよくて個性的なんです。
ダレンもどんどんかっこよくなっていきます。
第六巻でダレンにある大きな事件が起こるんですけど、ダレンに自分を投影していた僕はこれがもう自分のことのように嬉しかったですね。
不条理で救いようのないストーリー
ダレン・シャンのストーリーは不条理で救いようがないです。
だからこそリアリティがあるんです。
今まで行きてきた中で、自分の境遇や不運を呪ったことをありませんか?
それをきっと辛い思いをして耐えてきたと思います。
しかし、耐えたら必ず報われてましたか?
ダレンは不幸や不条理を乗り越えてきました。大切な人との別れや死、そして裏切りも体験してきました。
しかし最終巻12巻、ここでダレンはある真実を知り絶望します。大きな陰謀の操り人形に過ぎないと知ったダレンが迎える結末とはーー?
ネタバレしますが、正直ハッピーエンド言い難い結末です。ダレン・シャン氏の作品はハッピーエンドってまずないんですよね…
児童小説とは思えない本格的なホラー描写
正直、自分に子どもがいたらダレン・シャンをあまり読ませたくはないですね。
これが魅力の一つなんですけど、あまりにも児童向けとは思えないホラー描写が多いんですよ。
1巻に一つはきついのが一つありますね。例えば1巻でしたら、
シルク・ド・フリークの団員の一人である狼男のウルフマン。彼は理性がないので、本能のままに動くものを襲います。そんな時、観客の女性が倒れてしまい、ウルフマンに飛びかかられーー。
はい、女性がどうなったかは想像に難くありませんね。いやあ恐ろしい。
でも、全12巻中これはぶっちゃけ、あまりきつい描写ではありません。
一番やべえと思ったのは10巻の「精霊の湖」。これはコミックで修正食らってましたねw
ダレン・シャン最大の魅力はリアリティ
結局のところ、ダレン・シャンの最大の魅力はリアリティですね。
見た目は人間と変わらず、日光にもすぐ焼けず、人間も殺さないヴァンパイア。
なんだかいそうじゃないですか?
そして不条理で救いようのないストーリーも結局は現実的なストーリーなんですよね。
さらに、過激なホラー描写も、人は傷つくし、命だって落とすという現実でも起こりうる基本的なことなんですよね。
さらに、最終巻での結末もこの作品のリアリティを増すものになっています。
大人にこそ読んでほしいダレン・シャン
ダレン・シャンはカテゴリーとしては児童書として出版されています。しかし決して大人が読んで楽しめないということはありません。
むしろ、酸いも甘いも経験した大人になってからこそ読んでほしい作品です。
ストーリーは重厚で伏線も張り巡らされています。メディア展開にこそは成功しませんでしたが、私のお気に入りの作品の一つです。
この作品に、ダレンと同じく蜘蛛やホラー小説が好きなしょーび少年は勇気をもらい、いじめにも立ち向かうことができました。
もしも、ハッピーエンドの物語で物足りなくなったとしたらぜひとも一読してほしい作品です。
ところでお前は何者なんだという方ちょこっとだけ自己紹介しますね
こんにちは、しょーびと申します。
本人はADHDという病気を患っており、母親はアルコール依存症です。
しょーじきむっちゃしんどかったです。死んだほうが楽なんじゃなんて考えたこともありました。
しかしあることに気づいてからはそんな事考えなくなりましたね。
詳しくはこちらの自己紹介を読んでください
それじゃあ、ブログを楽しんでくださいね。